健康、生活 › 歯肉炎は炎症が歯肉に限局した疾患で、主な症状は「歯肉が腫れる」、「歯肉からの出血」及び「口臭がする」といったものです

2019年11月11日

歯肉炎は炎症が歯肉に限局した疾患で、主な症状は「歯肉が腫れる」、「歯肉からの出血」及び「口臭がする」といったものです

歯周病は、デンタルプラーク(歯垢)によってまず歯肉に炎症が起こり、さらにその中にある歯を支える骨が徐々に破壊されていくという病気です。原因となるデンタルプラークは細菌の塊ですので、細菌感染症ということができます。また歯周病は大きく歯肉炎と歯周炎の2つに分けられますが、以下にそれぞれの特徴を記します。

歯肉炎
歯肉炎は炎症が歯肉に限局した疾患で、主な症状は「歯肉が腫れる」、「歯肉からの出血」及び「口臭がする」といったものです。また歯石の沈着がみられる場合もあります。歯肉炎は10代前半の若年者から見られ、平成11年度の厚労省の調査では10代、20代の方の約60%が歯肉炎に罹っていたという報告がされています。この病気の特徴は、口腔清掃によってプラークを除いてやると完全に元の健康な歯肉に戻るということで、この時期に早期治療することがこの後に起きる歯周炎を予防する上で非常に重要です。
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また歯肉炎の発症や進行は全身状態の影響を受けており、妊娠によってホルモンのバランスが変化する妊婦の方に発症しやすいことはよく知られています(妊娠性歯肉炎)。これ以外に、発熱などの全身症状や口の中の潰瘍形成、痛みを伴う急性壊死性潰瘍性歯肉炎という疾患もあり、専門家による治療が必要です。また服用されている薬物によって特殊な病態の歯肉炎が引き起されることもあります(右の写真)。これは薬物性歯肉増殖症といいますが、普通の歯肉炎のように単純にプラークを除いただけでは治癒しません。影響を及ぼす薬物は、抗てんかん薬(ジフェニルヒダントイン)、降圧薬(ニフェジピン)及び免疫抑制薬(シクロスポリンA)の3種類ですので、これらのお薬を飲んでいる方で写真のように歯肉が腫れてきたという場合にはどうぞご相談ください。
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歯周炎
歯周炎は炎症が内部の骨などに及んだ疾患で、通常は長期間歯肉炎が持続して病状が進むことにより移行して生じます。歯周炎の症状は、上述した歯肉炎の症状に加えて、右の写真のように進行するに従って「歯ぐきが下がる」、「歯が移動して出っ歯になった」、「歯と歯の間の隙間が広がった」、「歯肉から膿みがでる」という症状を自覚します。また身体の抵抗力が落ちたときには、大きく歯ぐきが化膿して腫れるということを生じます(歯槽膿瘍)。X線写真では歯を支えている骨の破壊が認められます(上の写真右)。そのまま放置していると、やがて歯が抜けてしまうことになりますので、やはり早い段階に治療することが大切です。

歯周炎は通常中年以降の方に多く見られる病気ですが、稀に10代〜20代の非常に年齢の若い方で進行した歯周炎(侵襲性歯周炎)が生じることがあります。このような場合は特に専門医による治療が必要です。一般的に歯周炎は非常にゆっくりと進行する慢性疾患ですが、糖尿病などの全身疾患やタバコなどの生活習慣リスクがある場合には、やはり非常に急速に進行しますので早期に受診をお薦めします。



Posted by koikenina at 12:15│Comments(0)
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