健康、生活 › 歯周病の直接の原因はお口の中の細菌です

2020年07月24日

歯周病の直接の原因はお口の中の細菌です

歯周病の直接の原因はお口の中の細菌です。細菌は歯垢(プラーク)という塊を作り歯肉に炎症を起こします。この炎症を起こした歯肉の面積を全部あわせると、歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)が5~6mmの中等度の歯周病の場合で約72cm²となり、これは大人の掌の面積とほぼ同じ大きさとなります。一般の方々が歯周病のイメージから想像するより、はるかに大きな範囲で炎症が広がっているわけです。
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歯周病と糖尿病
昔から、糖尿病による血糖値の高い状態が長く続くと歯周組織(歯肉)に炎症を起こしやすくするだけではなく、歯周病の進行を早めてしまうことが知られていました。そして、糖尿病の方はそうでない方よりも細菌感染をおこしやすかったり、傷の治りが遅くなることが知られていました。これは、糖尿病に伴う白血球(好中球)の機能低下、微小血管の障害、コラーゲンの代謝障害などが歯周病の重篤度に深く関係しているからです。また、糖尿病の方の体の内で蓄積されてくる糖化蛋白質が免疫細胞(マクロファージ)を刺激することで生体物質(サイトカイン)が産生されます。この生体物質が歯周病の炎症を強める働きを持つことが最近になりわかってきました。そのため、歯周病は腎症(腎機能障害)、網膜症(視力低下)、神経症、大血管障害、小血管障害の慢性合併症に次ぐ、糖尿病の第6番目の合併症とも言われるようになっています。そして近年では、歯周病による歯肉の炎症自体が、糖尿病を悪化させる要因のひとつであることがわかっています。歯周病の炎症によって生じたさまざまな物質や歯周菌が産生する毒素が血液中に入り込み、インスリンの機能を阻害し、インスリンが作用しにくくなるためです。さらに、歯周病の治療をおこなうことでHbA1cの値が下がることも示されています。糖尿病専門医による糖尿病治療を受ける際も歯周病の治療はセットで行うことが推奨されています。
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歯周病と肺炎
口腔内物質が食道に入らずに気道へ入ってしまうことを誤嚥といい、この際に一緒に口腔内の細菌が気管を通じて肺に達して肺炎を起こすことがあり、誤嚥性肺炎と呼ばれています。この誤嚥性肺炎の病巣から歯周病原菌が検出されており、歯周病が誤嚥性肺炎を引き起こす可能性のあることが指摘されています。また、歯周病以外にも口の中の細菌が増えると誤嚥性肺炎を起こす危険性が高まり、口の中をきれいにする口腔ケアを行うことがリスクを軽減し、誤嚥性肺炎を予防できることがわかっています。



Posted by koikenina at 16:53│Comments(0)
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