健康、生活 › 成人だけではなく若年者にも多くみられる国民病

2018年12月19日

成人だけではなく若年者にも多くみられる国民病

最近では「お口の健康は全身の健康の源」と言われ、一般の方々の間でも、お口の健康への関心が高まっています。
特に、むし歯や歯周病など歯科領域の症状や治療が身体にも影響を与えることや、逆に身体の変化や症状がお口の中に及ぼす影響について関心が寄せられています。その中でも、生活習慣病の一つである歯周病が身体に及ぼす影響としては、心臓・循環器疾患や糖尿病といった他の生活習慣病に深く関わっていることが明らかになってきました。
抜歯鉗子
つまり、歯周病を予防し、治療後は適切に管理して再発を未然に防ぐことが、身体全体の健康維持につながることになるのです。いつまでも元気に年を重ねていくためにも、歯周病と身体の関係について理解を深めていただき、健口(健康)を維持していきましょう。

成人だけではなく若年者にも多くみられる国民病
歯周病は、歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織(下図参照)が、お口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患。歯を失う最も大きな原因となっています。
厚生労働省が行なった調査では、成人(30〜64歳)の約8割が歯周病に罹っているという結果がみられました。また、同調査から、成人だけではなく若年者も多く罹患していることがわかりました。さらには、小・中学校の学校歯科健診において歯周病と判定される児童や生徒が増えているという報告もあります。このような現実から、歯周病は私たち日本人の“国民病”とまで言われているのです。

歯科衛生士のサポートが不可欠
歯科医院などでの治療は、患者さんのお口の中を診査・診断した上で、その人に適した治療計画に沿って行なわれます。
歯周病の予防及び治療の基本はプラークコントロールですが、これはセルフケアとプロフェッショナルケアの2種類に大別され、特に重要となるのが患者さん自身が毎日行うセルフケア。
抜歯鉗子
歯ブラシはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスなどの適切な使用方法を覚えることが大切です。一方、プロフェッショナルケアは、専門家(歯科医師、歯科衛生士)によって定期的に行うお口の衛生管理。セルフケアで取りきれていないプラークや歯石を専門的に除去することで、予防や治療後の維持・管理に欠かせないものとなります。つまり、セルフケアとプロフェッショナルケアは、どちらかが欠けてもいけない、プラークコントロールの両輪と言うことができるでしょう。

また、プラークが溜まりやすい口内環境の改善のため、歯石の除去や補綴物の修正などの処置が必要となることもあります。さらに、歯周炎に進行している場合には歯肉の再付着を促す治療、ケースによっては歯周外科という小手術を行うことも検討されます。このように治療を進めていく過程では必要に応じて治療計画が修正されますが、患者さんが歯周病に罹った背景や生活習慣等を理解し、しっかりサポートしてくれる歯科衛生士との出会いが、歯周病治療において大切なポイントになるでしょう。



Posted by koikenina at 11:53│Comments(0)
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