健康、生活 › 歯の周りの溝の深さを計測することでどの場所の歯周組織に異常があるかを判定します

2019年04月25日

歯の周りの溝の深さを計測することでどの場所の歯周組織に異常があるかを判定します

歯周病の病態はさまざまで、局所的なお薬の投与や揺れている歯の固定などの対処療法だけではその進行を止めることはできません
近年の研究では、歯周病は全身の疾患とも深く関わっており、口腔の健康だけではなく全身の健康についても影響を及ぼすたいへん重要な疾患であることが証明されています。
歯周病の病態はさまざまで、局所的なお薬の投与や揺れている歯の固定などの対処療法だけではその進行を止めることはできません。歯周病の原因(細菌による炎症や異常な咬み合わせによる力など)を特定し、専門的な治療を行うことで健康で再発しにくい状態に戻すことが重要だと考えております。歯周病治療に対する基本的なコンセプトは今も昔もかわるところはございませんが治療の手法は年々変化してきています。歯周病の細菌検査による原因菌の特定と抗菌薬を用いた歯周病菌の除去療法(歯周内科)、骨が溶けてぐらぐらになってしまった歯を元の健康に近い状態に戻す歯周組織再生療法(歯周外科)など治療技術の進歩はめざましく、以前では抜歯しか方法がなかったケースでも保存できるものが増えてきているのも事実です。
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歯周病の検査
1. レントゲン検査
骨の状態を調べる検査で、一般的にはパノラマレントゲンだけの場合が多いようですが当クリニックでは詳細な情報を得るために全顎撮影14枚法によるレントゲン検査で診断の精度を高めています。

2. 歯周組織検査
1)ポケット測定
歯の周りの溝の深さを計測することでどの場所の歯周組織に異常があるかを判定します。3 mm以下が臨床的には正常値で、深いポケットほど嫌気的な環境となり歯肉縁下プラークおよび歯周病原細菌がより多く存在しやすくなります。ポケット値が大きな場所は歯周組織破壊が進行する可能性がたいへん高くなっています。

2)出血の有無
出血の有無により炎症の存在する場所の判定を行います。炎症がポケット内壁にある場合、周囲の組織が破壊されているためポケット測定により容易に毛細血管が損傷して出血します。出血がある場所は炎症が存在することを意味し、歯周炎の進行する確率が高く、逆に出血がないときは炎症がない、あるいは病状が安定していることを示します。

3)動揺度の測定
歯の揺れの大きさにより歯周組織の支持の度合いを判定します。歯の動揺は歯根膜の拡大と歯槽骨の高さにより影響を受け、咬合性外傷や急性炎症の際には特に動揺が強くなります。
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3. 歯周病細菌検査
歯周ポケット内に存在する歯周病細菌をDNA鑑定する検査で細菌の種類と菌数を測定します。歯周病原細菌の存在は歯周炎の発症・進行におけるリスクを増加させることが実証されていて、歯周病細菌検査は歯周病の治療における薬剤の選択基準、歯周外科治療の必要性、治癒の判定を決定する際の重要項目の一つになっています。



Posted by koikenina at 11:22│Comments(0)
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